日本の政治をワクワクさせるには


「政治」ってなぁに?

政治とは、私たちが社会で安心して暮らすためにどうしたらよいかを話し合い、行動することです。そして、みんなから集めたお金(=税金)を、何に、どれだけ、どのように(社会の利益のために)使うのかを、決めるのが政治家の役割です。だから、国会では政治とお金の話(予算や政治資金問題など)がたくさん議論されています。


「政治家の資質」

政治家の資質は、日頃の言動で判断されますが、中でも、お金に関するスキャンダルは後を絶ちません。フランスや韓国では、元大統領が政治資金問題や収賄で逮捕されています。つまり、政治家=犯罪者に・・・。もちろん日本も例外ではありませんね。

また、国会での政治家の発言を聞いていると、なんで「こんな人」が選ばれたのか驚かされることがあります。例えば、沖縄で相次ぐ米軍機事故の問題で、ある内閣副大臣(当時)が、「それで何人死んだんだ」と発言したり、ある議員(某居酒屋チェーンの経営者)は、働き方改革の公聴会で、過労が原因でなくなった遺族に対して、「できれば週休7日が人間にとって幸せなのかと、そのように聞こえてきます。」と発言。

問題の本質を理解しているはずの与党の言葉とは到底思えませんし、政治家の前に、人としての資質が疑われてしまいます。


「与党も与党なら、野党も野党」

与党は政権を担い、その与党を倒すのが野党です。政権奪還が野党の至上命題ですが、その野党の国会での対応を見ていると、相手のあげ足をとったり、建設的な議論をし、充実した政策を作るといった姿勢があまり見られません。生産性のないことに大切な時間と私たちの税金が使われていると思うと、正直、政治家が嫌いになります。ちなみに、議員一人ひとりに使われる税金は1億円以上だと言われています。しっかりと議論して、与党として任せてもらえるような国民からの評価がなければ、再び政権を取ることは難しいと思います。


「国民のレベルが政治家のレベル?」

国民のレベルが政治家のレベルとよく表現されますが、それは、国会議員を選んだのが、私たち国民だからです。よく選挙期間中の街頭インタビューで「選びたい政治家や政党がない」「誰を選んだって同じ」という声を聞きます。それはすなわち、渋々、候補者を「選ばざるおえない」状態だということです。また、選挙に行かない人も、結果的に選びたくなかった候補者の当選に貢献してしまうことになります。

逆に言えば、もしワクワクするような政策を実施してくれる候補者をしっかり選び、支援すれば、政治を変えることができます。国民自らが政治に関心を持って行動することが、民主主義を成熟させ、政治家のレベルを高めていくのではないでしょうか。


「政治教育が足りない?」

民主主義を成熟させるためには、政治について学ぶ機会が大切です。なぜなら、政治と自分たちとのつながりが見えないと、政治への無関心が広がり、投票率の低下につながるからです。

ちなみに、16歳から国政選挙の投票権が認められているオーストリアでは、14歳からの政治教育が義務化されています。また、驚いたのは、若者の政治についての理解を深めるために、2泊3日の合宿が青年協議会によって企画され、参加費や会場までの交通費などはすべて国費で負担されているということです。

実際に政策決定をしている政治家と若者たちが語り合う意義はとても大きく、行動すれば自分の考えが政治に届くと若者が実感することにもつながります。こうした若者の政治への積極的参加を促すイベントは、若い国会議員の誕生にもつながっています。スウェーデンでは史上最年少の18歳の国家議員が誕生しました。

国民の税金を使って、政治教育を行い、ちゃんと政治家を育てているプロセスが、その国の民主主義の成熟度を表していると思います。


「多様じゃない日本の政治」

日本の政治を見ていると、同じようなバックグラウンド(属性)を持った政治家たちが多く、多様性を感じません。例えば、親の七光りで選ばれた二世議員や知名度だけで選ばれたタレント議員、そして企業経営者、官僚、弁護士上がりの人たちが目立ちます。しかも中年・年配の男性がほとんど。ちなみに、2世議員は、親から譲り受けた、地盤(後援会)、看板(知名度)、カバン(金)があるので、結果的に2世、3世、4世と続いていきます(小泉進次郎は4世議員)。

また、海外の先進国と比較しても、女性の候補者が少なく(閣僚への起用も少ない)、自身がハーフやLGBT、マイノリティーである議員もほとんどいません。

国会では待機児童や社会福祉、そして教育や働き方改革などの問題が議論されているのに、実際に保育園の先生や介護福祉士、「普通のビジネスパーソン」が国会議員として選ばれることは滅多にありません。もっと多様なバックグランドを持った人が政治家になることが、現場の声をより正確に政策に反映できると思います。


「供託金とは」

多様じゃない日本の政治を作り出している原因の一つが、供託金と呼ばれるものです。供託金とは、選挙で立候補するときにかかるお金のことです。衆議院、参議院の選挙区で立候補する場合は300万、比例代表に出る場合は600万を選挙管理員会に預けることになっています。

このお金、多額なうえに、投票率が低かった場合は没収されてしまいます。表向きは、売名目的や他の候補者を妨害する立候補を防ぐためと言われていますが、それにしても高すぎます。「普通の人」ではまず無理でしょう!ちなみに、アメリカ、フランス、ドイツ、イタリアに供託金制度はありません(イギリスは約8万円)。

会社で働いている「普通の人」が、会社を辞め、選挙に立候補するためにお金を集める(または借金をする)。そんなリスクを取れる人がどれだけいるでしょうか?真面目に働き、高い志を持った「普通の人」が選ばれる制度を作らない限り、同じような人たちが議員に選ばれてしまいます。この供託金制度は、特定の人たちだけが立候補でき、「普通の人たち」が立候補をためらう結果をもたらしていると思います。


「政治をワクワクさせるには」

ここまで、日本の政治について話してきましたが、今の政治をワクワクさせるためにはどうしたらいいか少し考えてみました。


・政治に対する国民の声をもっと反映させる参加型の番組を作る(政治家やオピニオンリーダーの知識自慢ではなく、国民の質問に政治家が答える形での番組)。

・政治家と国民の対話の機会をもっと増やす(タウンミーティング、政治合宿、懇談会)。

・政治に志のある人が立候補をためらわないように、供託金制度を廃止する。

・政治家の立候補回数を制限する(世襲議員が何年も続けないように、そして官僚や企業との癒着を防ぐため)。

・企業からの献金は廃止(贈収賄を防ぐため)。

・被選挙年齢を下げる(衆参ともに20歳から立候補できるようにする)。

・インターネットでの投票を導入する。

・割り当て制度を導入し、女性議員や社会の少数派の数を一定数確保する。

・模擬投票の機会を学校教育で増やす。

・国民から政策を募集し、多数決で採用し、実施する。

etc


NORIの結論

今の日本の政治を変えるには、国民が政治についてどう思っているのかを議論する場を作り、それをメディアで放送することです。また、ワクワクするような政策を実行してくれる人(=国会議員)をしっかり選ぶことが大切です。そうやって、国民が政治に積極的に関わっていくことが、民主主義の成熟度を高めていくのだと思います。

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