イギリスから見る教育の本当の目的
19歳で初めてイギリスに長期の留学をしたとき、機会があって小学校で2週間の教職体験をした。
いくつかの授業に参加させてもらったが、一番面白かったのが、数学の授業だった。ちょうどその時は掛け算の授業で1x4は4とか、2x2は4ということをひたすら繰り返していた。
日本では、掛け算はほぼ暗記がメインで、聞かれたらすぐに答えられることが意識されてたのに対して、イギリスでは、指を使って数えたり、先生が生徒になんでその答えになったのかと聞いていた。なんで子供たちは答えを暗記しないんだろうと正直不思議に思っていた。
あとで先生たちに話を聞いてみると、この授業で大切だったことは、暗記よりも、しっかり考えさせ、なぜそのような答えになったのかを、なるべく多くの人が、異なる理由で発表できるようにさせるのが目的だったと聞い
てびっくりした。
日本だと、テストや入試で正解するための効率的な方法を重視してしまいがちだが、時間を取り、しっかり頭で考え、理由を探求する力を育てるやり方を掛け算の授業で見るのは初めてだった。
どちらの教育方法もメリット、デメリットがあると思うが、ただ、教育のあり方として、ただ単に答えを教えて、覚えさせて終わりではなく、生徒が、なんらかの学びを授業から得られるように工夫することはとても大事だと思った。
なぜなら、教育の本当の目的は、生徒が「学び」を得ることだからだ。だから、授業に興味が持てず、学びを得ていなければ、そもそも教育の役割を果たしているとは言えないのかもしれない。
生徒の学びを刺激するように授業をカスタマイズできるかどうかが、優れた先生の腕の見せ所ですね。
”If there’s no learning going on, there’s no education going on”. by Sir Ken Robinson(学びがなければ、教育はない)
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