進路相談じゃなくて「進路創談」

「枠」に問わられない進路相談

僕は色々な人から進路相談を受けます。仕事や人間関係、自分のやりたいことなど、内容は実に様々です。

相談を受け、悩みを解決しようとしていたとき、あることに気がつきました。それは、進路の提案の仕方が多くの人とは違っていたことです。

一般的に進路相談というと、次に自分が進むべき道を、誰かがアドバイスしてくれることをさします。高校や大学であれば担任の先生や教授、家であれば親や兄弟、そして職場であれば上司や同僚などです。

相談を受けた人は、多くの場合、相談してきた相手の性格や、これまでのバックグラウンドなどを踏まえて、助言する傾向があります。

例えば、「あなたはこれまで、こんなことをしてきたから、こうしたほうがいい」とか、「あなたの経験だと、この分野がいい」といった感じに、これまでの「過去を基準」に、既存の社会のどの分野に当てはまるのかを逆算して助言しているようにみえます。でも、こうした「枠」に当てはめる進路相談は、正直、相談者の人生の選択肢を減らしてしまっているかもしれません。

もちろん、こうした進路相談のやり方を完全に否定するわけではありませんが、やはり、過去を基準にしたり、既存の枠内からでしか考えない進路相談には限界があります。

未来が基準の「進路創談」

ではどうすればいいか。

大切なことは、その人の過去やこれまでの経緯がどうであれ、相談相手が今「何をやりたいか」をしっかり引き出してあげることです。そして、それを具体的な形でイメージできるようにサポートし、心の底からそれをやりたいと思い行動できるようにしてあげることです。

そうするためには、過去を意識するのではなく、未来を意識することが大切です。だから、進路相談は、ただ相手の話を聞き、既存の選択肢からアドバイスをするという「機会的な」プロセスではなく、その人の本当にやりたいことをしっかり探り、ワクワクする将来を創る「有機的(オーガニック)」なプロセスであるべきだと思います。未来のワクワクする自分を創るという意味で、進路「創談」が必要です。

また、故スティーブ・ジョブズ氏も2005年のスタンフォード大学での卒業式のスピーチ(Connecting the dots, 点と点をつなげる)でこんなことを言っています。

「先を見通して点をつなぐことはできない。振り返ってつなぐことしかできない。だから将来何らかの形で点がつながると信じることだ。何かを信じ続けることだ。直感、運命、人生、カルマ、その他何でも。この手法が私を裏切ったことは一度もなく、そして私の人生に大きな違いをもたらした。」

彼のスピーチは、将来の自分を信じてあげることの大切さと、前を向いて歩いていれば、結果は、振り返れば勝手についてくるものだということを示してくれています。やはり彼も、未来を意識して生きた一人だと言えます。

今後、様々な働き方や職種が誕生していく中で、過去を基準とした既存の進路相談では、その人の本当にやりたいことは見つからないかもしれません。

やはり、相手に自分を信じる力を与えながら、ワクワクする将来の目標を一緒に創る「進路創談」ができる人が、この世の中にはもっと必要です。そしてそこから、一人ひとりの人生の選択肢が増え、多様な生き方や多様な社会につながっていけばいいと思います。

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